角部屋で日当たりのいい環境が気に入って購入を決めました。

窓の外はすぐ道路でしたが、交通量が少なくて静かな印象だったんです。 ところが、実際に入居してみると、毎朝の車の騒音にビックリ。
あとで知ったんですが、前の道路は抜け道になっていて、朝夕の通勤時間は車の往来がはげしくなるんです。 物件を見学したのが日曜の昼間だったので気がつきませんでした。
窓を開けているとテレビの音も聞こえない始末。 歩道もないので、子どもが通学の途中で車にはねられはしないかと心配です。
交通事情や騒音をチェックするには、平日にも見学に来ないとだめですね。 「マンションがほしいな」と思って駅前の不動産屋さんに行きました。
本当は新築がよかったのに、紹介してくれるのは中古マンションばかり。 「こんなものか」と思って、いちばん新しくてきれいな物件に決めました。
ところが、入居してから新聞をとり始めると、新築マンションの広告がいっぱいあるではありませんか。 しかも予算内で買えそうな物件も発見しました。
新築マンションを買おうと思ったら、不動産屋さんではなくてモデルルームに行かないと買えないんですね。 中古住宅のいいところは、なんといっても安いこと。
なにしろ、新築のように住宅の価格に不動産会社の利益が上乗せされていないのです。 ただし、売主が個人ということで、買う側もしっかり物件を見極める必要があります。

家と同じかそれ以上に広い家に建て替えようと思っても、法律による制限のために、逆に小さな家しか建てられないということも考えられるのです。 なお、同じような状態として「既存不適格」と呼ばれる中古住宅もあります。
これは、建てたときには適法だったものの、その後に法律が改正されて適法でなくなってしまった住宅のこと。 現に建っている状態では違法ではありませんが、建て替えるときにはやはり現在の法律を守らなければならず、建物が以前より小さくなることもありえます。
本来は家を建てられないはずの土地に、家が建っているケースもたまにあります。 たとえば道路に面していない土地などがいい例です。
私道に面しているように見えた土地が、じつは私道ではなく単なる他人の土地の一部だったといったケースが考えられます。 中古住宅は目の前に現に建っているので、未完成の新築住宅に比べれば安心感があります。
ただし、現に建っていることと「法律を守って建っている」こととは別です。 なかには法律を無視した違反建築の物件も含まれているので注意してください。
とくに違反が多いのは建ぺい率と容積率です。 建物の大きさを制限するこの規制をオーバーして、敷地いっぱいに建てたり、延べ床面積を容積率以上に建てたりするケースが結構あります。
「広い家に住めるのはラッキーじゃないか」と思うかもしれませんが、問題は建て替えのときです。 築年数にもよりますが、中古住宅を買うと数年後に建て替える率が高くなります。
いままで住んでいた件をクリアできる場合があります。 ただし、セットバックした部分は敷地面積に含まれなくなるので、建ぺい率・容積率をめいっぱい使っていたケースでは建て替える家を小さくしなければならないこともあります。

に建っているケースもあります。 市街化調整区域でも特別な許可が下りていれば建てられますが、そうでない場合はだめなのです。
いずれの場合もすぐに家を取り壊されるようなことはありませんが、建て替えようと思っても家を建てられません。 このような土地は通常、「再建築不可」と広告に書かれているはずです。
あやしい場合は不動産会社に念を押して確かめましょう。 土地が道路に面してはいるものの、「幅四メートル以上の道路に二メートル以上接していること」という建築基準法のルールを守っていないケースも考えられます。
土地の間口が二メートル未満の場合、家を建て替えるには隣接する土地を買い増ししなければならないなど、実現はかなりむずかしくなってしまいます。 中古住宅の広告には「築○年」「昭和○年築」などと書かれています。
当然、建物が古くなればそれだけ価値も低くなります。 住宅の法定耐用年数がどうなっているかというと、木造の場合は二四年、鉄筋コンクリート造は六○年です。
ただし、この耐用年数は税金の計算などに使われるもので、必ずしも現実の耐用年数と一致するわけではありません。 住宅の耐用年数は、住んでいる人や周辺の環境次第といえます。

適度に修繕しながらきれいに住めば、三○年以上経った木造住宅でもちゃんと住むことは可能です。 逆に維持管理をきちんとしていなかったり、塩害などの自然環境にさらされる地域だったりすると、マンションでも一○年ですっかり傷んでしまうこともあります。
同じ築年数でも、傷みの度合いによっても住宅価格が上下するのです。 築年数が不動産としての価値に与える影響を見ると、木造一戸建ての場合は一○年をすぎると極端に価値が下がるようです。
二○年以上経っていると、たとえ住むことが可能でも「古家付き」として扱われるのが一般的です。 マンションはどんなに古くても「古家」とは呼ばれませんが、やはり築二○年をすぎるとだいぶ価値がダウンするようです。
中古住宅の価値は、住宅ローンにも影響を受けます。 公庫や年金など公的な住宅ローンでは、建物の築年数に制限があるからです。
マンションは公庫なら築二○年以内、年金なら築一七年以内、一戸建ては公庫が築一五年以内、年金が築一○年以内です。 とくにマンションの場合、公的融資を使えるかどうかは、価格に大きく反映される傾向があります。
中古住宅の価格は不動産会社が値付け(「査定」といいます)をし、売主と相談のうえで決められます。 定価はなく、不動産会社の判断や売主の考え方、それにその時々の相場により左右されます。
とはいえ査定のとき参考にするマニュアルがあるので、それをざっと見てみましょう。 中古一戸建ての場合、まず「土地」を査定します。
はじめは「交通の便」。 徒歩圏にしるバス便にしろ、一○分を超えると評価がやや下がります。

次に「前面道路の状況」。 東南角地が最高点です。
道路の幅も四メートルより狭いとマイナス評価です。 また、路地状敷地や崖地、高圧線の下の土地などはポイントが低くなります。
土地の次は建物です。 「屋根」「外壁」「柱」「内装」「設備」の各項目に分け、それぞれを「A級仕様」「B級仕様」「C級仕様」に分類します。
たとえば外壁は三分の一以上がタイル張りならAランク、石綿ボード張りはCランクです。 またキッチンは天板に人造大理石を使った高級システムキッチンがAランク、新築ではあまり見かけなくなった台所三点セットはCランク……といった具合です。
こうした査定マニュアルは一つの目安にはなりますが、実際にはその時々の「相場」が価格決定の最大の要因です。 とくに建物は築一○年を超えるとほとんど価値がなくなるといわれています。
その原因の一つには、土地の価格が高すぎるという面があるでしょうが、別の面から考えると、これはもう日本人の住まいに対する考え方という問題に行き着きそうです。 次ページのように、中古マンションの価格査定もまず交通の便から入ります。

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